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世界有数の不動産価格を誇る香港。円安も加速し、日本人にとっては更に高く感じるというのが実情です。香港理工大学ホテル経営学部のクラスメイトの実例を交えながら、香港の賃貸住宅事情をご紹介したいと思います。ちなみにクラスメイトの留学生は大学院生のため、それなりの就業経験と貯金があるため(年齢層も25歳~30歳)、学部生に比べてちょっといい所に住んでいる、という前提があります。
 
 

大学の留学生サービス経由で斡旋してもらった学生寮に住む

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クラスメイトの何人かは学生寮に住んでいます。フルタイム学生(1年で卒業)、卒業後は本国に帰るつもりの場合は学生寮を選ぶケースが多いと思います。基本的に家具付きですので、余分な家具を購入する必要もないですし、電気や水道、ネットなど煩わしい契約も不要です。ただし複数人でフラットをシェアする形になるので、集団生活が必須となります。
実際に学生寮に住んでいる友人の話を聞くと、香港大学の学生と同居していたりで勉強面で良い刺激になったり、交友関係も広がるといったメリットもあります。また、香港ではメイドが一般的なので、定期的に掃除をしてくれるメイドが来るので便利とのことです。
 
 

一人暮らし用のフラットに済む

賃貸情報を探しているとほとんどが2LDKからのお部屋が多く、1ルームマンションはほとんど見つからない香港ですが、”サービスアパートメント”というカテゴリで1ルームのマンション賃貸があります。留学生のクラスメイトも多くはこのタイプのお部屋に住んでいます。

規制や法律をクリアしているのかは定かではありませんが、広めのマンションの中に独立した個室を沢山作り、分割して賃貸に出しているイメージです。15平米ほどの「個室」にはベッド、簡易キッチン、冷蔵庫、机、バスルーム、トイレがぎゅっと詰まっていますが、その分家賃は安くなっています。

友人の場合、香港島随一の繁華街・コーズウェイベイ(新宿、渋谷のイメージ)の中心で15平米で9,000ドル前後(14万円前後)といったところです。ザ・香港といったかなり古い建物でエレベーターはありませんが、中はリノベーション済みでそこそこ綺麗。もちろん定期的に掃除やリネン交換が入るほか、電気・水道・ガス・ネットなどのインフラ込みの価格です。1年単位で契約しているクラスメイトがほとんどです。
 
 

通常の賃貸物件を借りる

私のように夫婦やカップルで来ている場合、通常の賃貸物件の契約をすることになります。香港の不動産は即内見・即決が基本のようで、インターネットに掲載されている物件はほぼ契約済みになっている可能性が高いと言えます。日本でも5-6回引越しをしているので、物件を見るポイントや契約プロセスについては慣れている私ですが、やはり即決というのには抵抗がありました。(それで何度か良い物件を見逃すことも)。
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香港の街を歩いていると、各ブロックごとにあるのではないかというくらい、不動産屋さんが沢山あります。写真のように物件図と価格を掲載しているので、気になる物件については直接店内で問い合わせ、そのまま内見へ行き、交渉、といった形になります。広東語ができなくても、ほぼ大抵の不動産屋には英語を話すスタッフがいます。

物件表示はスクエアフィート表示で、GrossとNetの広さではかなりの差があるので、一軒でも多く内見することをオススメします。実際に市場に出回っている物件は多いので、私は住む地域を選んでから、好みの家を見つける、という順番にしました。内見は10件以上しましたが、数件見るとだいたいの相場観や自分の中での基準が分かってくる気がします。

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個人契約の場合、雇用契約書や年収証明を大家に提出したり、様々な書類の提出が必要で、支払い能力などの信用度も家賃交渉に大きく響くのが実情です。また、契約は通常2年契約ですが、1年後に家賃更新が入るケースが主流の模様。1年後の家賃交渉で合意が出来ない場合、引越しをすることになります。私たちの場合も、つい先日、契約更新がありました。香港の不動産相場が昨年後半から大幅に下がっており、ちょうど同じマンション内にかなりお手頃の物件があったので、結果としてそちらに引っ越すことになりました。不動産相場に応じて、貸し手市場、借り手市場がめまぐるしく変わるのが香港の特有の賃貸事情ですね。

 
 

A.Makita
慶應義塾大学卒業(2004年)。米国公認会計士。
日系大手企業、米国系製薬会社でマーケティング、ファイナンスに携わったのち、大手外資系ホテル運営会社のファイナンスに転職。2015年9月より香港理工大学院・ホスピタリティ&ツーリズムマネージメントスクール(通称SHTM)の修士プログラムに入学。

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こちらは個人ブログになり、情報は全て2015-2016年のものになります。最新の情報については大学の公式ホームページをご参照ください。
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